ごとうゆうの本棚

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本好きのごとうゆうが読んだ本の感想などを気まぐれに紹介していくブログ

『これからはあるくのだ』

おはようございます🌞

5月なのに随分暑いですね💦

例年そんなものでしたっけ??


令和になりまして、決意新たにブログを書いていきます。

どうぞよろしくお願いします。


令和最初の本はこちら。📙


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これからはあるくのだ (文春文庫)


基本データ

『これからはあるくのだ』
著者:角田光代
出版社:文春文庫
価格:505円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年3月某日
 

感想

なんだろう、この決意に満ちたタイトルは?

ということで、実際に表題作から読んでみました。

私が頭から読まないというのもだいぶ珍しいな、と自分で思いながら。

結論:びっくりした。

こうも人間の記憶力は頼りないものなのか。思い込みとはこんなに激しいものなのか。

「人間、衝撃的な場面に遭遇すると記憶ないとかありますしね……」、なんて悠長なことを言っていられない事態に巻き込まれそうになる角田さん。

この話を読んで、私も心に誓いました。

「自転車は乗るまい」

そう、角田さん、歩行者が自分で転倒する場面に居合わせただけなのに、転倒の原因として騒がれてしまったのです。

居合わせた女性も一部始終を目撃していたはずなのに、角田さんのせいだと言う。

幸いにしてその歩行者は自力で起き上がり、最終的にはすたすた行ってしまうのだが、そこが怖い。

角田さんの自転車運転のせいで転んだ、と「思い込んだ」まま行ってしまったのであるから。

自転車と歩行者の事故が絶えないこのご時世、角田さんのように自転車が乗れない私も他人事とはとても思えず、さっきの誓いに至ったのです。

 

身の回りで起こる大小さまざまな事件を、角田さん独自のユーモアとセンスで書いていきます。

このユニークな発想は一体どこから来るのか。

事件をユーモラスに綴っていくには、ある種の強さだったり、覚悟だったりが必要だと思っていたのだが、そんな悲壮感もなく、至極普通のように軽やかに綴っていく。

(全然普通じゃないんだけどね!!)

角田さんには羽が生えているのかもしれない。

普段は隠して生きているけど、作品には羽が生える。

とても軽やかに読者を文字の世界に連れていってくれる。

そう思わずにはいられない、驚きエッセイ。

 

いや、さっきの自転車事件だって、何でもない風に、慌てたことがとても笑えるように書いているけど、実際そんな場面の当事者になったら後々になってもこんな風に言っていられない。

腹の立つ、怖い思い出として封印されてしまうだろう。

それを

「私はくもの糸から落とされたカンダタの気分だった。」

なんて表現する。

そんな余裕、当方は持ち合わせておりません。

角田さんが角田さんたる所以はここにある気がする。

厚さほんの1cmくらいの文庫本に。 お出かけのお供にピッタリです。

でも夢中になって読みすぎて目的地をすぎないように。

 

最後に一言

この本の解説者は三浦しおんさん。

あの『君はポラリス』とか素敵な名前の小説書いている方。

この人、ご存知の方もいるでしょうが、どうもエッセイだと別人のようにぶっ飛んでいるのです。

爆笑必至。

涙と鼻水のオンパレード。

 

私は最初三浦さんのエッセイに手を付けた時、何も作品読んだことがないけどオシャレな名前の小説を書く美しい人、なイメージだったのに、最初のページから、そのイメージがガラガラと音を立てて崩れていきました。

エッセイは名作揃いで、もうハマってしまって手に入れられるものはとことん手に入れたほど。

 

そんな三浦さん、解説でも本領発揮。

「え、ほんとにここまでやっちゃうんだ、人の本で。」とまた驚かされる。

もちろん最後は作家らしくきちんとまとめて解きほぐしてくれますので、ご安心を。

 

解説も一読の価値ある中身の詰まった本です。

安心して最後の一文までお楽しみください。