『今日もごちそうさまでした』
こんばんは。
歯茎が腫れたので歯医者さんに行ったら、まさか突然親不知抜歯宣告をくらって、人生初抜歯を受けたごとうです。
やわらかいものを抜歯した逆側で噛んでくださいという、ご飯ミッションがある中で紹介する本はこちら。
基本データ
感想
角田さんの初、食エッセイ。
自他ともに偏食を認める角田さん、大人になって食べられなかったものが食べられるようになる瞬間、それは大きな感動と驚きとともにやってきます。
とにかく肉が大好きな角田さんが嫌い(あるいは知らない)野菜、魚、珍味etc……を食べられるように!
何がすごいって、角田さん、お店で美味しいものに出会って克服するものもあれば、ちゃんと自身で作るのです。
そしてそれが上手に仕上がっちゃう。
そりゃ、自分で料理して食べられなかったものが克服できるよなぁ、と感心してしまいました。
うらやましい、その料理のセンス。
一人暮らし初期時代にお母さんからもらった分厚いレシピ本で、レシピ通りに作れば美味しく仕上がる、と認識したそうであるが、実際そう出来る人と、なぜかできない人がいるんだから世の中は不思議です。
読んでいると、もう出てくる食材の料理がとても美味しそうで、思わずお腹が空いてくるし、角田さんとご飯を食べに行きたくなります。
ごとうの家も、嫌いなものは無理しない、白米にはお供がほしい、そういう家だったので余計に親近感というか、共感が湧くのかもしれません。
角田さんのお父さんの食に関係するエピソードが切なくて、また大人になると分かるおいしさの宝庫で、まさに「昭和のお父さん」像でした。
最後に一言
小説のイメージを「重たい」「厚ぼったい」と思って何となく敬遠していた角田さん。
エッセイは違いました。
リズミカルに、ユーモラスに、そしてありのままに食材のおいしさを語っていました。
四季色とりどりの食材が出てくる出てくる、魔法のように。
そしてCDのボーナストラックのように入っている、「とくべつな記憶」。
角田さんの「とくべつな記憶」とともに改めて身の回りの食材のおいしさを実感してみませんか?
角田さんが作った料理のレシピも巻末についているという豪華な文庫本です。
お腹が空いてくる名エッセイ、ここにあり。