ごとうゆうの本棚

ごとうゆうの本棚

本好きのごとうゆうが読んだ本の感想などを気まぐれに紹介していくブログ

『わたしの容れもの』

おはようございます🌞

昨日からとてもいい天気ですね!

予報ではすっきりしない模様だったのでうれしい限りです♪


今週の本はこちらです📙


f:id:gotoyu215:20190501104434j:plain

わたしの容れもの (幻冬舎文庫)


基本データ

『わたしの容れもの』
著者:角田光代
出版社:幻冬舎
価格:460円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年3月某日
 

感想

25歳を過ぎると、何だか体が衰えてくる。

30歳を過ぎると、云々……

こんなセリフ聞いたことない人はいないと思いますがいかがでしょうか?

 

突然やってくるぎっくり腰、それはふと振り向いた時にやって来た。

重いものを持ったわけでもないのに。

味覚が変わってきたのか、はたまた内臓が付いていかないのか、脂っぽいものがダメになってきた、薄味が好きになってきた。

そんなことを嬉々として?話のタネにしている方々。

角田さんも、なぜか豆腐のおいしさが分かるようになってくる。

(角田さんの場合は脂も肉もまだまだOKのようだが。)

徹夜が出来ず、無理がきかなくなり、体重がちょっとやそっとじゃ減らなくなったり。

加齢にまつわるさまざまな変化。

その変化を角田さんは楽しんでいる。

言葉では確かに「老化」だけど、人間誰しもに訪れる「変化」として受け入れ、自らの五感で観察し、時に楽しんでいる。

 

人間ドックが好きという、私から見ればもう猛者中の猛者、角田さん。

自分が知らない自分を客観的数値として知るのが楽しいんだそうだ。

「え、それは怖くないのですか?」と一度お聞きしてみたい。

自分を客観的数値で測られるのは怖いことだと感じてしまう私は健康診断が苦手だ。

自分を基準にして考えすぎるのはよくないけど、それにしたって角田さんは強い、そう感じる。

 

バリウムについて1エピソード使うほど人間ドックが好きというか、思い入れがあるらしい。確かに検査に使う機器はどんどん進化しているが、バリウムのまずさ、飲みにくさが改善されたという話は確かに寡聞にして聞かない。

胃の検査では、バリウムを飲んだ上にごろごろ転がるように言われるらしい。

何ということだろう。

恐ろしくまずくどろりとしたものを飲み干して、ごろごろ転がるなんて。

想像しただけで胃から何か出てきそうだ。

それでも角田さんは人間ドックを受ける。

なんと、味付きのバリウムも今はあるのだとか。

え。いやいや。そんなん美味しくないやん。

でも角田さんはそれにある種の希望を見出し、それを見届けるためにもこれからも通い続けるらしい。

やはり猛者中の猛者だ。

そして書くのがとても上手いから、この記事を書くにあたって改めて読み返してみているのだが、人間ドック面白そうだな、なんて思ってしまっている自分がいるのである。

ある意味、今のバリウムより恐ろしい。

と、同時に、こんな風に年を取っていきたいと憧れている。

 

最後に一言

老いも若きも自分の体について思いをはせ、そして時に「あるある」、時に「ふむふむ」と共感したり、将来こうなっていくのかと何となく教わることのできるエッセイ。

ここまで好奇心満タンで自分の加齢について書かれていると、年をとって体が変わっていくのだって、まぁそんなに悪いことばかりじゃないかな、と感じさせてくれます。

繰り返すけれど、こんな風に年を取っていけたらいいなぁと思う私でした。

 

 

『これからはあるくのだ』

おはようございます🌞

5月なのに随分暑いですね💦

例年そんなものでしたっけ??


令和になりまして、決意新たにブログを書いていきます。

どうぞよろしくお願いします。


令和最初の本はこちら。📙


f:id:gotoyu215:20190501104228j:plain

これからはあるくのだ (文春文庫)


基本データ

『これからはあるくのだ』
著者:角田光代
出版社:文春文庫
価格:505円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年3月某日
 

感想

なんだろう、この決意に満ちたタイトルは?

ということで、実際に表題作から読んでみました。

私が頭から読まないというのもだいぶ珍しいな、と自分で思いながら。

結論:びっくりした。

こうも人間の記憶力は頼りないものなのか。思い込みとはこんなに激しいものなのか。

「人間、衝撃的な場面に遭遇すると記憶ないとかありますしね……」、なんて悠長なことを言っていられない事態に巻き込まれそうになる角田さん。

この話を読んで、私も心に誓いました。

「自転車は乗るまい」

そう、角田さん、歩行者が自分で転倒する場面に居合わせただけなのに、転倒の原因として騒がれてしまったのです。

居合わせた女性も一部始終を目撃していたはずなのに、角田さんのせいだと言う。

幸いにしてその歩行者は自力で起き上がり、最終的にはすたすた行ってしまうのだが、そこが怖い。

角田さんの自転車運転のせいで転んだ、と「思い込んだ」まま行ってしまったのであるから。

自転車と歩行者の事故が絶えないこのご時世、角田さんのように自転車が乗れない私も他人事とはとても思えず、さっきの誓いに至ったのです。

 

身の回りで起こる大小さまざまな事件を、角田さん独自のユーモアとセンスで書いていきます。

このユニークな発想は一体どこから来るのか。

事件をユーモラスに綴っていくには、ある種の強さだったり、覚悟だったりが必要だと思っていたのだが、そんな悲壮感もなく、至極普通のように軽やかに綴っていく。

(全然普通じゃないんだけどね!!)

角田さんには羽が生えているのかもしれない。

普段は隠して生きているけど、作品には羽が生える。

とても軽やかに読者を文字の世界に連れていってくれる。

そう思わずにはいられない、驚きエッセイ。

 

いや、さっきの自転車事件だって、何でもない風に、慌てたことがとても笑えるように書いているけど、実際そんな場面の当事者になったら後々になってもこんな風に言っていられない。

腹の立つ、怖い思い出として封印されてしまうだろう。

それを

「私はくもの糸から落とされたカンダタの気分だった。」

なんて表現する。

そんな余裕、当方は持ち合わせておりません。

角田さんが角田さんたる所以はここにある気がする。

厚さほんの1cmくらいの文庫本に。 お出かけのお供にピッタリです。

でも夢中になって読みすぎて目的地をすぎないように。

 

最後に一言

この本の解説者は三浦しおんさん。

あの『君はポラリス』とか素敵な名前の小説書いている方。

この人、ご存知の方もいるでしょうが、どうもエッセイだと別人のようにぶっ飛んでいるのです。

爆笑必至。

涙と鼻水のオンパレード。

 

私は最初三浦さんのエッセイに手を付けた時、何も作品読んだことがないけどオシャレな名前の小説を書く美しい人、なイメージだったのに、最初のページから、そのイメージがガラガラと音を立てて崩れていきました。

エッセイは名作揃いで、もうハマってしまって手に入れられるものはとことん手に入れたほど。

 

そんな三浦さん、解説でも本領発揮。

「え、ほんとにここまでやっちゃうんだ、人の本で。」とまた驚かされる。

もちろん最後は作家らしくきちんとまとめて解きほぐしてくれますので、ご安心を。

 

解説も一読の価値ある中身の詰まった本です。

安心して最後の一文までお楽しみください。

 

 

『的を射る言葉』

 おはようございます!

家を出ようとしたら通り雨に遭遇してびっくりしました。

今日晴れの予定だったのになぁ。


一昨日だったかな?面白い本を見つけたので紹介します。


f:id:gotoyu215:20190501152925j:plain

的を射る言葉 Gathering the Pointed Wits (講談社文庫)


基本データ

『的を射る言葉』
著者:森博嗣
出版社:講談社
価格:448円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年5月1日
 

感想

令和最初の読了本はこちら。

 

森博嗣さんが、自身のホームページで日記の冒頭に記した、切れる箴言集。

笑えるものから考えさせるものまで、抽象から具体、さらに飛躍した抽象まで様々な言葉が、ドロップのように詰まっています。

どうしたらこんなに鋭い洞察、考察がどんどん出てくるのか不思議でしょうがない。

 

最初からパンチをくらわしてくる。(的を射るのだから矢を放つのか。)

運命について。

「ないと知っている者が虚を創り、あると信じている者が虚を求める。」

グサッと、ヒヤッとさせられる。

 

と、思ったら、アナログについて。

「エンジンを切っても窓の上げ下げができるなんて、凄いな、手回しウィンドウ。」

確かに。アナログについての話はこれだけ。

確かに、確かにそうなんだけど。

予想外のオチみたいな最後に思わずくすっと笑ってしまったり。

今、窓が手回しの車なんて随分少なくなってきている気がする。

 

感心してしまったのがこれ。

無駄について。

「スピーチのないパーティって、」

この先、何が続くと思いますか?

答えは少し下に書きますので少し考えてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は、

「種なしブドウより、もっと素敵だ。」

無駄についての目の付け所も、そのための喩えも最高だと思いませんか?

たまたま私は種があるからブドウ嫌いなので、思わず噴き出してしまいました。

これは素敵な言葉だ。ぜひ何かを人前で話す人には覚えていてもらいたい。

 

一番好きだなと思ったのは、前進について。

「方角はどちらであれ、向いている方へ進めば、その人にとっては「前進」だ。」

 

最後に一言

108個のテーマについての箴言が収録されています。

なんで108個なんだろう。

もっと載せてくれてもいいのに。

(なんならホームページの日記に書かれている分全部でも構わないと思う。)

それ位、読んでいて楽しい。

お菓子を口に放り込んで咀嚼して味わって飲み込む。 また一つ手が伸びる、といった、その繰り返しであっという間に終わってしまうのです。

108個が煩悩の数だから?そういうこと?

特にあとがきには108個の話については書かれていないけれど、あとがきも森節が炸裂していてぜひ最後まで読んでもらいたいと思います。

一つ一つが短いし、それが108個なのでそんなに長い本ではありません。

どこから読んでもいいし、何度読んでもいい、どんな風に読んだっていい。

そういう、自由な本です。

因みに最後に、皆さんに覚えてもらいたい言葉がこちら。

 

「最も期待値の大きいギャンブルは、勉強である。」

 

 

『月夜の散歩』

こんにちは。

夢の世界から日常に帰って来て、脱力してるゆうです。

そんなときに癒されたいエッセイがこちらです。

f:id:gotoyu215:20190425132906j:plain

月夜の散歩 (ORANGE PAGE BOOKS)


基本データ

『月夜の散歩』
著者:角田光代
価格:1238円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年4月3日
 

感想

『よなかの散歩』『まひるの散歩』に次ぐエッセイオレンジページ連載エッセイ第三弾。

「食」「人」「暮らし」「時代」の四部構成。

 

「おいしい」がいともたやすく国境を超えることが出来る謎、ケチのツボ(角田さんはサランラップ)、男女の自慢の話、憧れの部屋着生活、ご飯写真はいろんなことを気付かせてくれる話、ポイントカードをめぐる攻防、などなど、実生活あるあるが、角田さん独自の目線で、カクタ節で鋭く?時に困ったように?書かれています。

 

ポイントカードをめぐる攻防、「ポイントカードお持ちですか」「お作りしますか?」「作るとこれだけの割引が……」云々かんぬん、皆さんも遭遇したことが一度はあって、正直「面倒だなぁ」と思ったりしたことがあるのではないでしょうか?

男性、女性の自慢話も、特に「うん、すごいね」と言ってもらいたい男性陣。

女性の自慢は巧妙にオブラートがかかっているのに対して、男性陣はどこまでもストレートで方向も多種多様。

もう角田さんの言う通りそれは「無邪気」なのです。

 

さぁ、ここで角田さんが遭遇した男性の自慢話、これ本当に脱力しました。

こんなことで奥さんに自慢するの?って。

なんと、人間ドックで飲まされたバリウムを、下剤を使わずに自力で出せるというもの。

私が彼の奥さんだったら早々に黙らせている気がする。

でもその時の角田さんのように傍から見ていたら? 「うわー、すごいね」と言いそうになるに違いない。角田さんと一緒で。

いっそすがすがしい。

 

いろんな素敵エピソードが載っていて、オレンジページらしく角田さんの得意分野、お料理の話も沢山収録されているはずなのに、どうも一番記憶に残ってしまうのがこの話なのだ、悲しいかな。

 

次点で部屋着の話が記憶に強く残っているのだから、なんてひどい読者だろう。

私は家にいる時はもう徹底して部屋着なので部屋着の数の方が、外出着よりも多いのではないかというくらい。

部屋着のなんてらくちんなことか。

安らいで、家の中で落ち着いて作業ができる。

家の中で部屋着で過ごしているのだから無敵状態である。

何をしたっていいし、何もしなくたっていい。

宅配便の人が来たらそのまま出ればいい。眠くなったら昼寝だって自由だ。

この選択肢の多さが私を安心して日々の生活に放り込んでくれる。

ぜひ、角田さんにも気に入った部屋着が見つかることを祈るのです。

 

しかし、部屋着、角田さんが理想とする部屋着と私が日頃着ている部屋着には大きな隔たりがあるだろう。

後者の方が圧倒的にだらしない。(苦笑)

角田さんはきちんとされている方だから(というか世間一般がある程度きちんとしているから)、パジャマで宅配便を受け取るのを良しとしないのであって、良くはないけどまぁいいかと思ってしまう私が思っている部屋着とかなりの隔たりがある気がしてならない。

そして、私が改めなければならないのもはっきり分かる。

だから印象に残るエピソードとなった。

再び思う、ひどい読者だ。ごめんなさい。

 

付け加えておくと、エピソードごとにいろんな写真を載せてくれているのですが、それに加えて、角田さんの愛猫、トトちゃんの写真も沢山掲載されている。

可愛いったらない。

いくらでも眺めていられる。

なんだこのお得感満載のエッセイは。

早く文庫化されればよいのに。(文庫化待ちきれなかったんだけど)

 

最後に一言

あとがきによれば、このオレンジページへの連載はまだ続いているというではありませんか。

ぜひ4冊目もお願いしたい。

ずっと続いてほしい連載エッセイの一つです。

 

 

『しあわせのねだん』

こんばんは!

今ごとうは帰省してて、今夜は両親と居酒屋さんでお酒をいただきました!😆


しあわせな時間を過ごした後に紹介する本はこちら!


f:id:gotoyu215:20190323194232j:plain

しあわせのねだん (新潮文庫)


基本データ

『しあわせのねだん』
著者:角田光代
出版社:新潮社
価格:430円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年2月某日
 

感想

角田さんは家計簿をつけている。

家計簿の達人といってもいいくらい。

そんな角田さんが、お金という見地から世間のあれこれを考えるエッセイ。

 

お昼ごはんだったり、突如買ってみたすべすべクリームだったり。

そもそも、お財布にはいくら入っているのが理想なのか、だったり。

(結構大事だと思う、この問題。金銭感覚出ますよね。)

とんだオチがついていた冷蔵庫、136000円だったり。

お金によっていろんなことに気が付いたり、がっかりしたり、時に嬉しくなったり、そんな諸々が詰まっています。

 

何となくお金の話って日本では避けられていたりするけど、でも、お金をどれだけ使って、そして自分が何を買ったのか、何を手に入れたのかを考えることは生きていくうえで大切なことだと思います。

お金にまつわる出来事を赤裸々に書いてくれて、角田さんが手に入れたもの、手放したもの、自分だったらどう感じるのかな、と思いを巡らすことが出来ました。

 

最後に一言

大人になって、お金がある程度自由に使えるようになってからこそ読みたいエッセイ。

厚さ僅か1㎝の薄い文庫本に、お金という、生きていくのに必要不可欠でそれでいて不思議なものがもたらす、楽しいこと、難しいこと、オチが付いていること、幸せに気付いた瞬間など沢山の出来事が詰まっています。

普段無意識にやり取りをしているお金について、そのお金で買ったもの、得た感情などに想いを巡らせてみてください。

それこそ家計簿付けると、その時のことが思い出されていいですよ。

(ごとうも大雑把ですが家計簿を付けていて、それが不思議と日記代わりになっています。)