ごとうゆうの本棚

ごとうゆうの本棚

本好きのごとうゆうが読んだ本の感想などを気まぐれに紹介していくブログ

『太陽と乙女』

 

こんばんは。

じめじめした暑さが続いていて、体調にダメージを与えてきますが皆さんは大丈夫ですか?


今週はこちらの本を紹介します。📘


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太陽と乙女


基本データ

『太陽と乙女』
出版社:新潮社
価格:1600円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年7月某日
 

感想

森見さんのエッセイ大全集。

 

大全集というだけあって、いろいろな雑誌等に連載された様々な文章が収録されています。

読書にまつわるあれこれ、お気に入りについて熱く語ってくれた章、彼の作品についての裏話的なエピソード……。

 

どの章も読みごたえがあって楽しいのだけど、中でも楽しいのは散歩の章。

散歩についての章なのに、なぜか(ほかに入れるところが無かったのだろうか)富士登山を達成したエピソードが入っている。

富士登山、それはそれは過酷だろう。

実際、読んでいても過酷っぷりが伝わってきたから自分だったら絶対登らないだろうな、そう思った。

少なくとも、ちゃんと準備してトレーニングして登った方がいい、そう教えてくれた。

他にも、「東京探検隊」と称して、編集者と廃駅探検に乗り出してみたり。

(といっても、企画したのはあくまで編集者の方で、森見さんは本人曰く「あぶあぶ」と返事をしていたら決まっていたそうな。)

夏の暑い日に実行された、東京探検隊。

そのハードな珍道中も記されている。

夏の盛りに1日中廃駅巡りをするのだから、編集者の体力も森見さんの体力も相当である。

 

日常編ではどこにもカテゴライズされなかった、連載文が載っている。

「日常」ではあるものの、エッセイとして特別に狙って書かれたという意味ではやっぱり「非日常」である。」と彼は語るが、それでもファンとしては嬉しい。

好きな作者が日頃どんなことを考え、どんなことに目をつけているのかが分かるというのは楽しいものである。

 

なんと、この本は、最後に特別書き下ろしがついている。 最高じゃないか?

それがなくても大全集に恥じないボリュームなのに。

「書き下ろし」、何という甘美な響きだろう。

その本のために別に作者が文章を書いて載せてくれるのである。

ファンでいる、読者でいる醍醐味の一つだと思ったりする。

 

今回の森見さんの書き下ろしは、書き下ろしと、大学院生時代の日記!

なんと、日記が公開されるのである。

本来書いた本人だけにに秘められるはずの日記が。

過去の連載が収録され、なおかつ書下ろしも載っていて、日記まで公開されている。

森見さんファン垂涎間違いなしの大全集でした。

 

最後に一言

書きたいことをほぼ全部感想に書いてしまったので、最後に一言も何もありませんが、とにかくおススメです。

 

 

『愛してるなんていうわけないだろ』

おはようございます🌞


何だか最近日が射していて嬉しいです。


今週の本はこちら!!

 

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愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)


基本データ

『愛してるなんていうわけないだろ』
著者:角田光代
出版社:中央公論新社
価格:552円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年3月某日
 

感想

角田さんの記念すべき初エッセイ集。

タイトルから何だか飛ばしている、この感じがもうたまらない。

恋をするのに負けとか勝ちとか、書いてある。

最初はよく分からなかったけど、でも角田さんが書いているように、お互いが「会いたい」と自分の気持ちに忠実に向き合って、いわゆる「負けた」状態になって笑いあえるのはかっこいいと思う。

 

大爆笑したのは「電話大合戦」。

普通じゃない。

かかってくるいたずら電話を楽しんでいるのである。

言葉はあまりよろしくないが、「まじかよ」と思ったエピソードだったりする。

とがってるなぁ、おいおい。

今でも楽しんでいるのだろうか。まさかね……。

万が一、いたずら電話がかかってきた時のために参考にしてください。

 

そんなことを書いておきながら、「小さきものに幸せは宿る」と、何だか感動というか納得させられるエピソードを書いているのだから、角田さんのふり幅はこの頃から尋常じゃない。

「~中略~、きらきら光るくずを流してしまうのは、あまりにも勿体なく、自分で自分を不幸にしているようなものだ。心の網を細かくして、そういうものを掬い取っていかねば。」

嗚呼。心に沁みる。

ふとした時に忘れてしまいがちなこの心がけ、角田さんのように心にしっかりととどめておきたい。

とにかく「マイニチ」を大切に愛している角田さんだから書ける、角田さんにしか書けない、そんなとがっていてあったかいエッセイでした。

 

最後に一言

大抵恋愛についてがテーマになっているこのエッセイは、デートとか好きとか嫌いとかいろんなことが書いてあるのだけど、そこで終わりではなくて、そこから続いてゆく日々をどう生きていくのかを問うていたり、決意表明していたりして、恋愛に今は特に距離が近くなくても勉強になるエッセイだと思います。

もちろん今絶賛恋愛中の人は必読!

 

 

『パスタぎらい』

 おはようございます。

今朝の雨はすごかったですね💦

通勤通学大丈夫でしたか?

警報が発令されているところもあるようで……

とにかく安全第一に行動しましょう。


さて、今週の本はこちらです📙


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パスタぎらい (新潮新書)


基本データ

『パスタぎらい』
出版社:新潮社
価格:740円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年6月某日
 

感想

書店でぶらぶら書架を眺めていた時に突然目に入った。

 

「なんだ、このタイトル!」そう思ったら、作者はなんとテルマエ・ロマエヤマザキマリさん。

「え、そうなの?何が書いてあるの?」と買わずにはいられなかった一冊。

 

イタリアに暮らしているから、パスタにはなじみがあって、それこそ日本で言うお米のように、国民食だと思っていたのだけれど、なんと、そのパスタを「きらい」と断言し、「もっと美味しいものが世界にはある!」と主張する。

(別にパスタへのトラウマとか恨み言ではなかった)

 

「そうなのか、そうなんか?!」パスタ大好き人間の私は思わず声に出してしまった。

 

どうも、ヤマザキマリさん、貧乏時代に大げさでなく一生分のシンプルな味付けのパスタを食べたらしい。

確かにそこまでパスタ漬けの生活を送ったらパスタがそんなに美味しいものに感じなくなるかもしれない……。

言われてみれば、自分に置き換えればただの白米より美味しいパスタあるじゃん!と思ってしまう。

 

そしてこの本では、世界中の美味しいものが紹介されている。

なぜかシチリアで頬張った餃子とか、日本のラーメンだったりとか、日本の洋食の決め手とか。

他にも、なんと日本のスナック菓子のバリエーションの豊かさ、そして美味しさにまで触れてくれている。

やはり、生まれも育ちも日本というだけあって、日本の食について一章使っている。

なんだか嬉しい。

 

パスタがあまりおいしく感じられない、と言いつつも、イタリアにはそれでも美味しいものが沢山あるということで、イタリアの食文化も紹介している。

イタリアの魂であるといっても過言ではない、オリーブオイル、ビネガー。

高級食材として知られるポルチーニにまつわる生死をかけたエピソード。

そして驚いたのがクリスマスの風物詩と馬肉にモツ。

馬肉はスタミナ食らしく、お世話になったエピソード、モツの世界での食べられ方、クリスマスに食べられるお菓子にまつわるあれやこれ。

 

食文化だけでなく、ヤマザキさんの食の好みにも触れられていて、世界をつなぐのは胃袋だ、とヤマザキさんは言う。

(海外初心者時代に、食がコミュニケーションだと信じて頑張りすぎてしまう、何だかけなげでほほえましいエピソードも。)

食べ慣れないものを受け付けない私なんかは異文化コミュニケーション力0であろう。

日本の食べ物ですら精一杯である。

でも、ヤマザキさんのこのエッセイを読んでいると、海外でいろんなものを、それこそお腹を壊すくらいに食べてみたくなってしまう。

 

昔から食を大切にしてきたヤマザキさんだからこそ、各エピソードがこんなに美味しそうに、知らない料理でも、まるで香りまで立ち上ってきそうに、いきいきとしている。 読めば読むほどどんどんお腹が空いてくる。

肉が食べたくなったり、日本の「洋食」が食べたくなったり。

いやいや、いますぐコンビニに駆け込んでスナック菓子をつまみながらこの本を再読したくなったり。

 

食と味覚が創作の原点であると語るヤマザキさんの筆致はとても躍動感にあふれている。

 

最後に一言

何を食べるか迷ったらこの本を読め、そうお勧めしたい本です。

書店で運命のような出会いを果たしたこの本に、私は感謝しています。

 

そして今日のご飯はパスタにしようと思います。

 

 

『ブスの家訓』

こんにちは。

梅雨らしく明日から天気が崩れるそうですね。

いやだなぁ。

もうあっという間に6月も下旬。梅雨明けしてほしいものです。

 

さて、先週に引き続いて、こんな本を紹介します。

 

 

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ブスの家訓


基本データ

『ブスの家訓』
出版社:中央公論新社
価格:1300円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年6月11日
 

感想

「ブスシリーズ」がやって来た。

 

大体の人が「実家」というものを持っていると思う。 自らを生み出し、作り上げた家族や家。

 

もちろんカレー沢さんにも存在する。 つまり、「ブス」を生み出した実家が。

その実家について、また、結婚してからの新しい家庭についてのリアルなエッセイである。 (リアルじゃなかったらフィクションになってしまうが。)

 

まぁ、その実家がすごい。さすがカレー沢さんを生み、そして育てた家である。

只者ではない。

まずお父さんから凄さが暴露されていく。

お父さんにとって義理のお母さんが建てた家の、7部屋のうち4部屋を私物でつぶす有り様。

自分で建てた家、自分の家系で代々受け継がれている家ならまだしも、義理の親が建てた家をこのように使うことは、並大抵の神経じゃできない、はずだ。

そして、まぁ文句こそいうものの、戦争が勃発しないのもまた不思議な話で、その大問題をめぐって大喧嘩になったり、実力行使に出たりはしないカレー沢家。

度量が広いというより諦めの境地なのか、いやいや変わっている。

 

変わっているなぁと思ったのは個人個人だけではない。

お墓参りのやり方もまた過酷であり、なぜそんなに単独行動か許されなかったのか、観光位したいじゃないかと思わずツッコんでしまう。

そして、そのお墓参りが唯一の家族旅行だったというのだからさらに驚く。

私だったら駄々をこねる。絵日記のネタすらないじゃないか。

 

親孝行もまた難しい。自称負け組のカレー沢さんとしては、自分の性格も鑑みこのまま売れないでいることが何だかんだの親孝行なのではないか、と持論を展開している。 (成功しても親御さん嬉しいと思うぞ。)

 

笑ってしまったのは(笑いどころ沢山なんだけど)、誕生会の話。

え?誰の?驚くなかれ、お父さんの。そして今もなお続いているのである。

いくつだよ。

主催は自分、家族全員強制参加で、「祝○○歳」という張り紙をしてカラオケを聞かせる、そういう誕生日会。

お元気で何よりです、としか言えない。

そもそも誕生日会って、自分が主催するものじゃないし。

 

お祖母さんもまた強烈な人だったりして、いろいろエピソードがあったりして実家の話が終わると、話は学生時代に移っていく。
学生時代の話はあるあるの連続。

青春などとは対極にいたおかげで、学校行事なんてまともな思い出の方が少ない。

小学校中学校に至っては記憶すらほぼない。 小学校は幸いにして?卒業アルバムなんてなかったが、あったら絶対写っていない。

だって載せるほど活躍してないんだから。

 

「ブスの一年」これまたあるあるで、父の日、母の日で迷走したり、結婚記念日で何話すこともなかったり、七五三の写真の話も「あー。あったね、そういうこと」と思うのである。

 

そして住まいと家事の話に移る。 個人的にはかなり長く書いてしまったと思うのでかなり割愛するが、こりゃ面白い。

家具のこだわりのなさだったりとか、家族は本棚を見ている話とか。

我が家は本棚がもう居間にどんと置いてあるので、何というか、いわゆるそういうものは持っていたとしたら、入れるのをためらうのだが、きっとカレー沢さんはためらわない。

夫婦共用の物置にそういう本を置いているのだから。

そして、そういう本については何も触れない旦那さん。

さすがのスルースキルである。

そんな旦那さんもトイレの使い方と、お弁当にはシビア。

お弁当はまずいとかではなく、「腐っている」。

そりゃシビアにもなるわ。お腹シビアになるんだから。

(因みに我が家は夫がそれを危惧し、お弁当制ではない。)

他にも、冷蔵庫で眠ってしまった、どう使っていいか分からない瓶詰の話、掃除しない人あるある、丁寧な暮らしとは?課金の作法云々、家庭生活のあれやこれやが沢山書かれている。

 

内容自体大したことないというか、言ってしまえば下らないのだが、いわゆる「分かりみが深い……」で満ちている。

そっかぁ、カレー沢さんもこんな感じに暮らしているのか。

何だかんだ私に似ているんじゃない?と思ったりした。

でもそれって、カレー沢さんに失礼だし、それって夫にかなり苦労を掛けていることになっているんじゃ?と誰も幸せにならないと思い直すのである。

 

最後に一言

自称ブスの薫さんの実家生活、そして今の家庭生活が暴かれる爆笑エッセイ。

生活に関するあれこれなので、大体どんな人でも実感がわきやすいのではないだろうか。

(共感できるかは別として。)

実家の爆笑エピソードは皆一人ひとり持っていそうな話である。

ぜひカレー沢家の話を読んで、自分の実家に想いを馳せてみてほしい。

 

 

『ブスの本懐』

おはようございます🌞

暑いですねー。

だんだん日差しも夏になってきました。


今日は、強烈にハマるこの本を紹介します📙


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ブスの本懐


基本データ

『ブスの本懐』
出版社:太田出版
価格:1000円
ジャンル:エッセイ
読了日:2019年6月10日
 

感想

「ブス」 なんという強烈な言葉だろう。

 

とにかく、この女子へのキラーワード「ブス」で本書は構成されている。

薫さんも、冒頭で「ブス」を「人を傷つけるために生まれた、まるで兵器のごときデスワードであり、考えた奴はノーベル逆平和賞である。」と述べている。

なのに、この本に書かれている大半の言葉は「ブス」であるから、そこからもう笑える。

 

ただ、「ブスとは何か」という答えを出すのではなく、作者も含めて逆に分からなくなってしまっている、迷著である。

しかしここで「ブスとは何か」なんていう答えが出されてしまったら、地球上の大半の女子が死ぬ、というかなり残酷な結末を迎えることも確かであろうから、その点、ブスが何だか分からなくなってよかったとも言える。 

 

淡々と書いているようだが、今感想を書いているごとうも、そりゃもうブスであり、他人事ではない。

どの項目も、「うぁぁぁぁぁぁ」と悲鳴を上げながら、過去の、そして現在の自分を恥じながら転げまわっていた。

この本では多種多様なブスが紹介されている。 こんなにも様々に分かれているのか、とブス自身驚きながら、またそのほとんどに自分が当てはまっているという驚愕の事実に戦慄する。

「昔からこうだったわ」、そう思って読んでいたらあっという間に終わってしまっていた。

「ここは自分とは違う」そういう点が見つけられなかった。

(強いていうなら毎日パスタを食べないことくらい。)

そんなレベルでのブスなので、この本にはかなり励まされた。

「まぁ、このままでもいいんだ」「生きていく道はブスにだってある(それが美人よりハードモードだったとしても)。」と思えた。

 

薫さん自身そういう励ましの意図をもって書いているのか若干不明だが、読んでいるブスたちは確かに励まされるのである。

 

自らのブスをここまで嫌みなく、変な気遣いもなく、笑いに昇華させてくれる人もなかなかいない。

実際、正直リアルの友人には不可能である。

やっぱり気遣いなどは入るし、何となくの褒めあい、フォローし合いになってしまう。

そこを、薫さんは徹底的につつく。そしてブス脱却どころかブスを極めるには、を指南してくれる。

無理して美人になるのはそもそも無理があるし、そこで自分らしく生きていくことが出来ないのもおかしいのでは、と遠回しに?メッセージを送ってくれる。

 

最後に一言

自称ブスの薫さんが散々ブスについて書くのだから自虐も満載、そしてブスが読むんだから、心当たりあるあるな本書。

一見誰が幸せになるんだこの本、と思いがちだが、意外にブスは幸せになれるんじゃなかろうか

この本を読むことによって、「こんなブスでいたくないから努力しよう」と思うのも一つだし、「ブスでもいいんだ、ありのままに生きていこう」と思うのも自由である。

まぁでもブスでも悪くないや、とごとうは思えたし、本書によって、一人でもブスが救われれば幸いである。